モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
「あっ、はい」


美雨は商品整理をしていた棚から立ち上がると
神村の方へと向かう


「たまにはさ、最近できたドーナツ屋に行ってきなよ。はい、これ」


と言って、お金を渡される


「またですか?」


美雨が呆れたように言うと


「こんな、おっさんが一人であんなラブリーなドーナツ屋に入れる訳ないだろ?美雨ちゃん、頼む。適当に買ってきて。もちろん、美雨ちゃんのもね」


50代後半にしては、随分と若々しい神村は
両手を顔の前で合わせ、大袈裟に美雨に言う


「オーナー、今日で三日目です。飽きないんですか?」


「飽きる?どうして?あんなに旨いのに」


悪びれた様子もなく言う神村に美雨は


「わかりました。買ってきます。ストロベリーは必ずですよね?」


と、笑いながら言った





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