モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
《杜side》

いつからか
俺は笑うことを
許されなかった


俺の父親は
代々続く茶道の家元だ


俺には年の離れた兄貴がいる
けれど、兄貴とは腹違いだ


俺は所謂、妾の子だった


まだ、母さんと二人で暮らしていた頃
父親はたまに、姿を見せた


まだ、小さかった俺はなんで父親がいつも家にいないのか
とか、疑問に思うことはなかった


それは父親がとても優しかったからかもしれない


そんな状況でも俺は幸せだった
いつも笑っていた


ただ、
父親が帰った後
いつも母さんが泣いているのを見ると
自分も悲しい気持ちになったのを覚えてる


















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