モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
アトリエに入ると
美雨は覚悟してブラウスのボタンに
手をかけた


が、杜に止められた


「あんたを試したかっただけだよ。取り合えず、そこ座って」


杜が顎でさした椅子に座ると
もくもくとデッサンを始める杜


「いるんだよ、興味本位だけでモデルになるやつ…俺にただ近づきたいだけのやつ」


美雨はバツが悪かった
美雨もその一人だったからだ
杜の絵を見てみたいという
興味が確かにあった


美雨が黙っていると


「あんたもそうだったよな?俺に興味をもった。だけど、あんたはまたここへ戻ってきた」


話ながらも手は止めない杜
そして、時々向けられる真剣な眼差し


美雨はさっきから
胸の鼓動が収まらなかった
杜の視線にまるで
全身を愛撫されているかのようだった


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