モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
岡崎と言うその刑事は
まだ、現場に慣れていないのか
刑事らしい雰囲気は感じられなかった

どちらかと言えば
学生の延長の様な男だった

「えっと…ですね。ご自身で何か、恨みをかうような事、ありませんか?例えば…男性関係とか?」

美雨は目の前の岡崎という刑事に
明らかに嫌悪感を出した

と、言うのも恐らく美雨と真山の事を指して言ってるんだろう
それなのに、わざとらしく惚けて聞いてくる岡崎に苛立ちすら覚えた

「全部、ご存知なんじゃないですか?」

と、美雨がぶっきらぼうに答えると

「気の強い人だ。嫌いじゃないですよ、僕は。ただね、あなたが仰りたい人物、真山夫妻は完全にアリバイがあってシロでした。それで、あなたに他に心当たりはないものかと…」

美雨は驚いた
心当たりと聞かれれば真山しか思い浮かばないからだ
現にこの前の夜の事を思えば自然な事だ

「いえ、全く心当りなくて…」

「そうですか…では、何かありましたらこちらにご連絡ください」

そういって、岡崎は連絡先の書いたメモを渡した





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