Endless...
冷淡な現実
01 初恋の日
『アキラ?アキラ!』
「‥‥ん‥‥んん」
『こうえんにいってくるね』
3歳のあたしは、父親であるアキラの腹に毛布をかける。
アキラは最近建設関係の会社を興し、社長としてせわしない毎日を過ごしていた。
朝早くから夜遅くまで仕事をこなし、合間を見つけてはあたしの世話をしてくれていた。
だからこうしてあたしを昼寝させようとして、アキラが爆睡することも多かった。
真夏の昼下がり。
あたしはアキラが用意してくれた水筒をぶら下げ、麦藁帽子を被る。
『いってきます』
家を出て一人で向かったのは、家の近くにある公園。
最近はアキラが起きない時、こうやって一人で公園に行っていた。
その公園は滑り台と砂場しかなくて、あまり人もいない公園だった。
辺りが藪に囲まれていて、夜になると怖い場所に早変わりする。
あたしは公園でいつも一人。
そう思っていたのに、公園に着くと人がいた。
砂場で泥だらけになりながら一生懸命に山を作る、男の子。
あたしは嬉しくて、男の子のもとに走って向かった。