Endless...
今になって思うけど、アキラの育児方針は自由主義だった。
まだ3歳の女の子を、一人で公園に行かせるような父親。
普通の親なら行かせないかもしれない。
でもひとつだけ言えるのは、アキラの愛情が薄弱って訳ではない。
子供のしたいことをさせてあげたいっていうアキラなりの親心なんだと思う。
次の日、アキラと昼寝して目が覚めると、アキラはやっぱり爆睡していた。
そういえば昨日の夜中、ふと目が覚めるとアキラはパソコンに向かってたっけ。
あたしはアキラに布団をかけ、用意してもらっていた水筒をぶら下げ麦藁帽子を被る。
『いってきます』
アキラにそう言ってから家を出た。
アキラに言われた通り、車やチャリに注意した。
道を渡る時も右見て左見て、また右を見て大きく手を上げて横断した。
やっと公園に着くと、砂場にはユウくんがいた。
あたしは駆け寄り、ユウくんが作る山の手伝いをする。
二人の間に会話はなくても、あたしは楽しかった。
今まで一人だったのに、今は違う。
無口で砂遊びしかしないユウくんだけど、一人よりも楽しいんだ。
泥だらけになりながら、穴を掘ったり山を作ったりを繰り返す。