仕返し屋
その瞬間、一瞬画面が真っ暗になり、今まで見たこともない文面が浮かび上がってきた。


真っ黒な背景に真っ赤な文字。


スペシャル仕返しをご依頼頂きまして、誠にありがとうございます。

なお、このコースで起こりました、相手の方に対する事故等につきましては、一切の責任は負いかねませんので、ご了承願います。


アナタにとって、素敵な仕返しになりますように!!



「どういう事?
事故…って…―。」

きゅうに恐ろしくなってきた美鈴は、依頼をキャンセルしようとしたが、キャンセル方法なんて、どこにも記されていなかった。


それどころか…―

「あ…っ」


サイトの一番下、全く目立たないような隅に、よく目を凝らさないと見えないくらいの文字サイズで、


すべての仕返しにおいて、ご依頼後のキャンセルは一切行っておりません。あしからず。


そう記載されていた。


「うそ…―」

今頃気づいても、後の祭りだった。


「大丈夫よね…ただの仕返しだもん。
そんな酷い事故になんてマキ、遭わないわよね。」


そう自分に言い聞かせたが、その夜は眠れなかった。


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