仕返し屋
マキの葬儀も終わり、美鈴は1週間ぶりに出社した。


「大丈夫か?佐伯。無理もないよな…あんな現場、目の前で見てしまったんじゃあ…。無理するなよ。」


部長の励ましに、美鈴は力なく笑った。



まさか、こんな事になるなんて…―。

ただの…―ただの仕返しのハズだったのに。


こんなつもりじゃなかったのに…―。



「不運としかいいようがないよなぁ…。
エレベーターが落下するなんて。

原因は業者の点検ミスだって話だけど。」


だれかがそう話しているのが耳に届いた。


…ただの事故…。

みんなそう思ってる。まさか私が依頼した仕返しなんて、誰も思わないだろう。

私もそう思いたかった。

不運な事故だって。
仕方のない事だったんだって。

私のせいじゃないって!!


だけど、あの日、 家に帰ると

《仕返し完了》のメールが届いていた…―。
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