仕返し屋
「ひっ…」

鳥肌がたった、舞の愛くるしい顔は歪み、この世のものとは思えない笑みを浮かべていた。


「舞は、美鈴先輩の事だ~い好き、だったのになぁ…」


後ずさる美鈴に一歩、また一歩と舞が歩み寄る。


いつしか、人通りの少ない路地に入りこんでいた。


「あんな事さえなかったら、舞は今頃バリバリ働いていたハズ…。

美鈴先輩に《仕返し》なんてされなかったらぁ…」


「…―!!」

知ってる…

舞は知ってるんだ…―



「でもぉ…もういいの。舞も見つけちゃったからぁ…。」


その手には、いつの間にか鈍く輝く包丁が握られていた。



「ま…舞っ。見つけたって… 何を…―!?」



「先輩にピッタリな《仕返し方法》」


「きゃあああああっっっ!!!」




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