仕返し屋
「だから、言ってるでしょう!?
この企画の案は、もうまとまりかけてるの!
今更あなたに考えてもらうことなんてないし、補佐なんていらないの!
今朝、部長にもそう言ったとこよ!」

舞は驚いたような呆気にとられたような、微妙な表情を浮かべたが、何も言わなかった。


それから一週間後の事だった。

舞の企画が通ったのは…―。






「どういう事なの?舞。
これは、私が考えた企画よ。」

舞を問い詰めると、あっさりこう言った。

「すみませ~ん。先輩。

こないだ見た先輩の企画書、舞なりに、もうちょっとこうしたほうがいいな~、とか思う事があったんで、アレンジしてみたんですぅ~…。

先輩のプロジェクトだってわかってるんですけど~、舞も一生懸命考えたからダメもとでぇ、部長に見せてみたら、思いの外反応が良くって。」

にっこりと笑う舞の顔が悪魔に見えた。

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