お星様になりたい
そうだ、登真は昔から、こんな風にものすごく周りに気がきいた。

そのためか、いつもどこか大人びていて。

あたし達4人の、リーダーみたいな存在だった。


そして、登真は多分、あたしの初恋だった、と思う。

でも、登真があの頃好きだったのは、あたしじゃなくて、多分……



「何考えこんでんだよ、つまずくぞ」

「え?あ、うわっ!!」

言われたそばから、あたしは道路の段差で思いっきりつまづいた。


え、わ、こける……!!


地面がゆっくりと近づいてきて、思わず目を瞑ると、急に体が軽くなった。



ゆっくり目を開けると、登真の、見た目に寄らずがっしりとした腕で、しっかりと抱き留められていた。

「わ!ご、ごめん!!」


多分真っ赤になっているだろう顔を覆って、あたしは登真から飛びのいた。


< 38 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop