透明になりたい
「音って、黄色って感じしない?」

「・・ただたんに、お前が黄色好きだから良い解釈してんじゃねぇの?」

僕はまた歩き出す。


「違うよぉ。海陽にはそう聞こえちゃうのかもしれないけど、でも私、絶対音の色は黄色だと思うの。」

僕の元に小走りで追いついたのだが、また美苑は立ち止まる。


「は?なんで。」

僕は急に立ち止まった美苑に振り向く。


「だって、黄色って、キラキラしてるもん。」

「・・・・・」


一瞬、風がすぅーっと僕らの横を通り過ぎた。



「音って、なんか人を幸せにするでしょ?心の中がぽっとするでしょ?だから、音ってキラキラしてるじゃん♪」

「・・・・」

無邪気に笑ってそう言う美苑は、なんだか楽しそうだ。



「キラキラっていいよねー。」

美苑はどこか遠くを見つめた。
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