透明になりたい
僕は、ずっとあの時のままだ。


ずっと気持ちの整理がつかない。



好きな色は?と聞かれて、


「透明。」

と答えるあの子の姿を追い続けている。



小学校は一緒じゃなかった。

気付いたら傍にいなくなっていた。



本当に消えてしまったみたいだ。



小学校の学級文庫で、【透明人間】という本があった。

もちろんほとんど絵ばっかりだったけど・・。



その本の題を見た瞬間、あの子が思い浮かんできた。



あの子は透明人間だったんじゃないか、って。




まぁ、その時の僕も馬鹿だったんだ。



もし透明人間だったら、もう二度と会えない。


そう思って、僕は諦めたつもりだった。



まぁ、無理な話しだ。


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