透明になりたい
「この教室好きなの?」

いや別に教室が好きなわけじゃねぇし。




「ここで何してんの?寝てるの?」

「・・・夕日差し込むの見てるだけ。」

美苑からは視線を離して口にする。


「へぇ。海陽芸術的じゃん。笑」

は・・?芸術??白が好きな僕が?んなわけねぇじゃん。


僕は鼻でフッと笑った。



「そんなことねぇし。」


「そんなとこで意地張らないッ 褒めてんだから♪」


「~~~っ」

パシッと肩を軽く叩かれた。何気痛かった・・。



「ほら、帰ろッ もう遅いし。」

机の上にあった僕のかばんを持って、美苑は歩き出した。


「ってかなんでいっつもお前俺のこと待ってんの?!」


それを追いかける僕。


僕は、自分のことを僕と言ってない。


美苑や学校の人たちの前では。


なんだか・・僕なんて言ってたら、弱そうじゃないか。


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