ため息は白くない
それから人盛りもいいのですが、一人でいるのもなかなかに妙なものです。
元来、人混みは嫌いなのもあるのでしょう。
少し帰りが遅くなった日なんか特に感じるものです。

身に染みるような寒さの中にいると世界と自分との境界線がはっきりしていて、自分というものについて考えようという気持ちになります。
そういう時に自動販売機で買う缶コーヒーというのも悪くありません。

夏は反対に境界線がとけてしまって、自分というものがあやふやになってしまいます。
特別に夏が嫌いという訳でもありませんがあれはいけません、人を堕落させます。
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