ままごと遊びで楽しもう
姫君の背中にひやりとした寒気が、しがみつく。
「“こんな大人が当たり前なんだ”って、教えたい」
背中から腕や、足。首にまで鳥肌が立つほどの寒気を感じる。
ペタペタと触られているような。何もいないはずが、耳鳴りがひどい。
「……」
耳鳴りに耳を澄ませば、それは甲高い笑い声だと分かった。
ひしめき合うように、息継ぎなしに笑い続けている。重なりあった周波数は高く、不協和音として耳鳴りに変換された。
「みんな、喜んでる」
そんな中のこどもの言葉は、頭蓋骨にまで響くようだった。
頭痛がする。三半規管が捩れていくような音の刺激が、酔ったように瞳孔を揺らがせた。