ままごと遊びで楽しもう
子供ではない『こども』には、子守唄以上の睡魔を与えてみせたが、夢の中でも遊んでいるらしく穏やかな寝顔だ。当分は起きないと見ていい。
「――さて」
次に行かなければならないと、みんなが特別な姫君はこどもを抱きかかえる。
ままごとセットが消え、こども用ベッドが出たあたり、ここに寝かしつけろとの意味なんだろう。
「後は、任せましたよ」
この子を思う『家族』へ。こんな世界を準備した『家族』に言葉をかけ、姫君はこどもを横にさせる。
今一度頭を撫でて、その場を離れれば、鳥肌が消えた。
こどもはこども同士でいるのが良いのだし、“そう思われている”。
子供を愛しすぎた故にそうなった、ならば、誰よりも子供の『家族』でいたいというのは言わずもがな。
どうして、何故。だなんて、こどもに聞くのはお門違い。
したいから、する。
それに振り回された大人の話。また追われてしまうのかと思えど。
「また、おままごとをしましょうね」
そんな家族(ごっこ)なら、いくらでも付き合おう。
あなたとて、特別なのだから。