思春期の恋
体育館の外へ出ようと、立ち上がってパイプ椅子を運ぼうとしたら、
女バスの後輩がダッシュしてきた。
「かたしておきますよ!先輩!
麻井先輩と付き合ってるってほんとですか?」
パイプ椅子を持って後輩が聞いてきた。
「うん・・・まあ・・・」
「美男美女カップルだって、結構噂になってますよ!」
え。美男はわかった。
が、
「びじょ?」
私は自分を指差した。
「はい!舞野先輩は、女子部員達の憧れですから」
なんて・・・なんて良い子なんだ・・・
金があったら、おごってやりたい。
「ありがとね、部活頑張ってね」
後輩は私の足を見た。
「先輩も・・・お大事に!失礼します!」
後輩は頭を下げて、パイプ椅子を元の場所へと運んで行ってくれた。
体育館の外へ、足を引きずりながら出ると、
柊司が防具を置く小屋から出てきた。