思春期の恋
大きな声で呼ぶと柊司は、
うちと柊司のうちのちょうど真ん中あたりで、振り向いた。
「私・・・
柊司が好き!!」
私がでっかい声で告白すると、
柊司は、ぐっと下を向いた。
そして、私の元にゆっくりと戻ってきた。
目の前に立った、ポケットに両手を突っ込んだままの柊司が、
私の顔を覗き込んできた。
ちゅっ
そして柊司はそのまま、
目も合わさないで、
自分の家の方向へ歩いて行ってしまった。
唇に触れただけの
初めてのキスに、
心臓を撃ち抜かれてしまって、
そのまましばらく、
動けなくなってしまって・・・
柊司が家の中に入っていくまで、
柊司をずっと見つめ続けてしまっていた。