思春期の恋
おれんち
お・・れんち・・・
おおお・・・俺のうち!!
ちょ・・なんで、柊司の家に行くってだけで、こんなテンション上がってんのさ。
しょっちゅう行ってたじゃん。
もう何年も行ってないけど。
そんな、特別なことじゃないじゃん。
そうだ、普通だ、ふつう。
「俺んち・・・行く」
あれ。なんか・・・言葉間違えた。
柊司はくくくっと笑って、
私の手を少し引っ張って、
また一緒に歩き出した。
100歩先の柊司の家へ。
また、こうして手を繋いで、
柊司の家に行ける日がくるなんて・・・
もう、そんなことないだろうなって思ってたから、
もうずっと、柊司とは、
幼なじみでもなんでもない、
ただの近所に住む赤の他人だと思っていたから。
この、一緒に歩く一歩一歩が、
すごく大切に思えた。