◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】
「愛の力がそうさせるの」
「……数学の説明が説教にならないようにね」
あたしは袋の中から、適当に飴を2つ取り出した。
「…………ピーチ?」
あれ?この飴にピーチ味なんてあったっけ?
オレンジとグレープとストロベリー、メロンの4種類だったはずなんだけど。
あたしは袋のパッケージに描かれたフルーツの絵を見た。
だけど、やっぱりピーチだけはのってない。
袋を逆さにして飴を全部机の上にばら撒くけれどピーチ味の飴は袋の中に2つしかなかった。
「なんで?不良品??」
「新しい味なんじゃない??」
やっちゃんは楽しそうにピーチ味の飴の入った小さな袋を取り上げると、空にかざした。
薄い黄色のような白のような……そんな色がキラリと輝いた。
「まぁ、今日はほのかのラッキーデーなわけで、ラッキーアイテムは桃色とキャンディ……ってことはさ」
「!!やっちゃん!!もしかして……」
やっちゃんはニヤリと笑うと、
「もしかしたりして……」
と言って2つのピーチ味の飴をあたしの手の平に乗せた。