◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】
いつでもその笑顔を見ていたいし、笑顔の理由があたしだったら、なお嬉しい。
単純だと思うよ?
先生みたいに大人じゃないし。
自分の世界観をもってるわけじゃないし。
でもさ、
でもでも、
あたしは先生を好きなだけで幸せだったんだ。
先生を好きになってから、世界はキラキラと色づいて輝きだした。
ほんの“些細なこと”でも、先生が関係するってわかれば、それは“重大なこと”に変わるんだ。
先生。
あたしの心はあの頃から変わらず先生に向いてるよ。
卒業式……
先生に告白できたらいいな。
なんて……。
「あと8ヶ月……それまでアピールしてかなきゃな」
うっしゃーっと声を上げて第2校舎へと入る。
先生のいる職員室は古い木造校舎の中にある。
校舎に入って真っ直ぐ進んで、一番奥の角を右に曲がったところに階段がある。
その階段を上って3階。
次に左へ曲がるとすぐに部屋があり、その部屋が数学準備室になっていて、先生はいつもそこにいた。