◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】

「カバンなら用意しておいたから、帰るぞ」

「え??」

「今日は車で来たもんでな、家まで送ってやろう」


先生は、車のキーをズボンのポケットから取り出すと、あたしのカバンと先生のカバンの2つを持って
「行くぞ」
と催促をする。



あたしはこの甘い状況についていけず、さっさと歩き出す先生の後姿を一生懸命追いかけた。




あぁ〜、あの変な電気のおかげで、今あたしはラッキーハプニング真っ最中。





先生の車で送ってもらえるなんて、あたし、今なら死んでもかまいません。


いえっ!!やっぱり車に乗ってからじゃないと死にたくはありません!!



職員用の駐車場に行くと、あたしの少し前を歩いていた先生がある車の前で立ち止まった。





シルバーの大きな車。

その車の助手席を開けると、「ここに座りなさい」とだけ言って先生は運転席へと移動し乗り込んだ。



先生の横顔はいつも見ている横顔とは別で、ドキンドキンと胸の高鳴りは更に増す。


エンジンをかけ、手馴れたように運転をする先生。



車の中に流れ出すミュージックは何語かわからないけど、日本語でないのは確かだ。



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