◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】


「そうか、早く横になって寝ていなさい」


あたしの家の前に車を止めると、後ろに置いていたあたしのカバンを手渡された。


「ありがとうございました」


もっと一緒にいたいよ。



「じゃあまた明日な」

「……あ」

先生が行っちゃう。



「どうした?」

「先生が保健室で寝てたことは、あたしだけの思い出にしますから」

「……そんなもん、思い出にするな」


先生は少し照れながら、今度こそ車を発進させ、目の前からいなくなった。




あたしはというと……寂しさで胸が一杯だよ。


先生がいてくれたらあんなに幸せで一杯だったのに。


もう先生に会いたくて仕方ない。





「菅山先生……」


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