◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】
昼飯
「さぁって!!!飯だ、飯!!!そういうことで、今日の授業はココまで!!」
この声で、待ってましたと言わんばかりに教科書をしまう音、ペンのカチャカチャって音が教室内に響き渡る。
……正直な奴らだ。
「あ〜っと、次のページの英文を訳してくるように!!………って誰も聞いてないよな」
頭をかきながら、素直な生徒たちの反応が微笑ましかったりもする。
教科書を乱暴に持つと、そのまま教室を後にした。
ムワッと生暖かい空気に触れる。
4時間目終了のチャイムは悪魔のチャイム。
早く食堂行かなきゃ席がなくなるし、早く購買行かないと売切れてしまう。
だからチャイム終了と同時に生徒たちは走って教室を去っていく。
俺の存在を無視するかのように、話なんて聞きやしない。
「おーおー。今日も戦場ですな」
俺は他人事のように呟き、職員室へと帰った。
話を聞かないことに対する怒りなんてとっくに萎えた。