◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】


風がそよそよと髪をなびかせて……真っ直ぐ伸びた背筋。

小さくなる後姿を見つめると、胸がとってもキュンキュンと鳴いている。




かっこいい。

かっこよすぎるんです。




「だめだ。菅山先生超大好きです」


本人に聞こえることのない小さな告白をして、あたしは再び教室へと入っていった。








「ただいま〜」


あたしの席に座る友達に声をかけ、手に持っていた教科書を机に置いた。


「おかえり〜」


あたしの座るはずだった椅子に座って、机に落書きをしているのが佐倉耶枝(サクラ ヤエ)
通称やっちゃんだ。



「あんたも相当物好きだよね。毎回毎回質問とか言って菅山に会いに行ってさ。あいつのどこがいいの?」


「やっちゃん、心外ですなぁ〜。先生はすっごく優しくて、すっごく可愛くて、すっごくかっこいくて……誠実で、まさしくあたしのような完璧人間なのよ!!!!」





右手を握り締め、勢いよく空に向かって真っ直ぐに伸ばす。

もちろん左手は腰に当てて。


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