◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】
木造だけあって、この校舎はかなり古い。
だから、屋上への扉が壊れていつでも入れるようになっていた。
このとっておきの場所を知っているのは、きっと俺くらいだろう。
「この学校の中で一番空に近い場所……」
ギシギシと音を漏らす階段を上りに上って、屋上の扉の前まで来ると同時に聞こえてくる誰かの話し声。
「ちぇ〜……先客かよ」
あの少年のようにワクワクした気持ちは、一瞬にしてしぼんで消滅してしまった。
「………萎えた」
そのまま、Uターンして帰ろうかと思ったけど、なんで俺が帰らなきゃいけないわけ?
なんで、俺が気を遣わなきゃいけないわけ?
というより、この屋上は俺様の屋上なわけで、生徒が勝手に入っちゃいけないでしょーが!!
と言うより何より、俺は教師なわけだから、勝手にこんな所に入り込んだ生徒を注意しなくてはいけないよな!!うん。
そういうことで、俺は注意するために……この扉開けますよ?!
あ〜……念を押すけど、俺は、注意をするためにだから入るんだから!!
注意だから!!
職権乱用じゃねーから!
うん、よし。