◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】
「はいりますよ〜っと」
ガーチャンっと鈍い音を出して扉が閉まる。
その音の大きさにビクッと肩が震えた。
ヒビだらけのコンクリート。
かなり低いフェンスにもたれかかり、地べたに座る人を見て、俺はビックリした。
「あっ!!」
相手も、俺に気付いて、
「すまんが、また後でかける」
と淡々と話して携帯電話を切った。
っていうか、話し声って電話だったのかよ。
「橘先生もここで昼ごはんですか?」
暑い暑い炎天下の下、相手は溶けるんじゃないかと思えるほど白い肌をして俺を見上げた。
「はぁ。今日は自分で弁当を作ってきたもんで」
と俺は、紙袋に入ってる弁当箱をひび割れた地面に置き、相手の近くに座った。
「へぇ〜、橘先生が?なんだか意外です」
「そうですか?これでも、1人暮らし歴が長いんで……料理は結構うまいんですよ?菅山先生は料理とかどうなんです?」
そう、俺が注意しようとした奴は、さっき注意されたばっかりの菅山先生だった。