◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】


「学級委員……あぁ。後藤ですね、確かに」

“学級委員”という言葉を聞いてようやく、いつも髪を2つにくくり、真面目な優等生を思い出した。


俺の中で、あいつは後藤じゃなくって学級委員だから。


でも、俺、あいつも苦手なんだよな。




融通きかねぇところとか、真面目ぶってるところとか、かーなーりー睨まれたりとかして……。

嫌われてんなぁってすっげー分かりやすくて、でも嫌われてるわけだから俺からもスキンシップとれねぇしで、なんか苦手。





近付きたくねぇ奴だと思う。






「その後藤が昼休みに数学の質問に来ることになっているんです」

「へぇ〜」


うん、なんか後藤と菅山先生はお似合いだ。

真面目同士で。





でも……
「あいつ、数学の成績はいいですよね?」

「そうなんですよね、確かクラスで1番ですね」

では、失礼しますと菅山先生は腕時計で時間を確認すると足早に屋上から出て行った。







「…………」

俺はと言うと、ゴクゴクとわざとらしく音を立てて飲んだ。


飲まなきゃやってらんねぇ!!
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