◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】
「きゃー!!!先生ともしかして恋の予感?!ラブチャンス?!というかラブゲッチュ?!」
やっちゃんの肩を掴みガタガタと前後にゆする。
「あ〜!!わかったわかったから放して……」
「……あっ、ごめん」
「恋のお相手が先生かどうかはわかんないけど、何で菅山なの?なんか理由でもあるわけ?」
菅山先生が好きな理由?
「そんなの沢山あるって」
あたしが好きな理由。
それは高校1年の頃だったっけ。
新しい環境、仲の良い友達すらまだできていない時期。
あたしの担任は菅山先生だった。
最初は怖いとさえ思った。
だって、瞳が冷たくて、生徒に興味なんてなさそうで、教師と言う職業を事務的にこなしているような印象さえあったから。
機械のように正確な言葉遣い、淡々とこなす作業。
完璧すぎて近付きがたかった。
だけど、何故か無理矢理学級委員に選ばれてしまったあたしは、他の子より先生と話す機会が増えてわかったことがあった。
それは、先生が他のどの先生よりも生徒のことを思っているということ。