私の選択肢~彼はバンドマン~
あまりの唐突さにみんな笑っていると
「もぅ…行くの??行かないの??」
とヤキモキした感じで話し出す。
「行くよ。」
と笑顔の翔くん。
やっぱり、あたしの事は分かってないんだな…
「じゃあ、ちょっと支度あるから外で待ってて。淳くんと沙織!」
!!!
急に名前を呼ばれてあたふたしているあたしに近づいて
「あんな顔しなくてもすぐに気付いたよ。」
なんて頭を撫でられた。
「翔くん…」
あの頃と変わらない優しい翔くんの声。
懐かしい手のひら
「じゃあ後で」
優しさの余韻に浸る前に楽屋を追い出された。
「翔さん、泣いてた。」