私の選択肢~彼はバンドマン~
…!?
そこに写っていたのは幼なじみだった。
「淳くん…このボーカリストって名前何て言うの??」
「翔さんって言うらしいよ?タイプ??」
淳くんはなんだか心配そうにあたしを覗き込んだ。
(やっぱり…)
クスクスッ
「この人幼なじみだった。」
「えぇーーーー!!」
淳くんは悲鳴に近い声を出してあたしを見た。
「でも…いつの間に居なくなって…翔くんのお母さんに聞いたら、夢叶えるとか言って出ていった。って言われたの
」
まさか、会えるなんて思ってなかったあたしは、5年間という歳月をパンフレット越しに当て付けられた気分だった。
「この後楽屋に呼ばれてるから、一緒にくるよね??」
淳くんからの一言にあたしは戸惑った。
「…。」
黙ったままでいると幼なじみだった翔くんが表れた。
っと言ってもライヴが始まっただけだけど。
みんな頭を振って歓喜の声を上げて…
翔くんを見てる。
あたしはと言うと、
昔の面影を残しつつ全くの別人になった翔くんの姿をずっと目で追っていた。
思わぬ再会に驚いてばかりではいられない。
翔くんはあたしだと気付いたのだろうか…
いや…気付くわけないか