私の選択肢~彼はバンドマン~


ライヴが終わり、淳くんは楽屋に行こっか??なんて言ってあたしの腕を掴んだ。

「翔さん、ずっと沙織見てたね…」

いつになく暗めな淳くんに動揺してしまう。

「そう??でも忘れてるよ。」

なんてわけのわからない回答をしてしまった。



「沙織??今日は俺の面接だよ!!」

そこにあったのはハチミツの笑顔じゃなく真剣な顔の淳くんだった。

「そうだよね…ごめん。あたしったら自分の事ばっかり考えてた…。ごめん。」

素直に思った。

淳くんの大切な日になに考えてるんだ。

「違う。僕こそごめんね。ちょっぴり距離感じて、寂しくなった」

一瞬シュンとした顔をして、淳くんはいつものハチミツみたいに笑った。


???

今のはどういう意味??
よくわからないまま淳くんの笑顔に釣られて笑った。


少し、真剣な顔になってきた淳くんに

「ハニースマイルは??」

と茶化してみると

キラキラと笑顔をみせてくれた。


「ありがとう。…頑張る!!」


気が付くと楽屋の前にいた。





< 9 / 18 >

この作品をシェア

pagetop