青空の神様
でも、どうしてだろう。 お父さんは、何故あたしを毎日監視し、いじめてきたの。それはしつけ。あなたなりの、しつけだったの?あたしは死んじゃったし、この世に、そっちの世に悔いはあるけど、どうせなら、なぞを解きたい。あたしは、いや、お父さんは何故、あたしとの関係をうまくできなかったのか。   きっと悪い人じゃないと思いたい。お母さんは、優しく明るく、キレイな人で、その母が好きになった人なのだから。あたしは、今ならできる気がする、父の人間性を知る事が。だって、今、目の前であたしの体を抱き抱えて、涙を流しているのは、きっと嘘じゃない、本物の父の姿なのだから。何も聞こえないけど、あたしの名前を呼び続ける、その唇は、震えていて、目は優しく輝く涙で濡れている。あたしは父を知りたい、父は子供の頃、どんな子供だったのか。     目の前の景色が突然変わった。古い家の前で、あたしと同じ年か、一つ二つ年下の少年二人が野球のボールと真新しい、グローブでキャッチボールをしている。あたしは何が起きたのか、理解できなかった。一体ここはどこなんだ。
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