青空の神様
二人の会話はどんなだったのだろう、少年父の声はどんなんだろう、想像してみた。          あたしは二人の声も聞こえなかったし、元気よく走る足音も聞く事はできなかった。   少し悲しかった。
少年父は、グローブとボールを置いた、庭の家に入って行った。 ここが少年の家だった。
あたしは感動した。父の少年時代の家が目の前にあるのだ。家は、木造二階建てで、庭には二メートルほどの黒い鉄制の棒での囲いがしており、中には水道と物干し竿が二本かけてあった。あと、水道の脇に、小さな物置があって、父はそこにグローブとボールをしまっていた。
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