青空の神様
あたしは縁側のガラス戸を通り抜け家に入った。  そこには横に廊下があって、目の前には障子の引き戸があり、開けっ放しにされていた。廊下の左の突き当たりには、棚が置かれていて、上の段にはタオル類が見えた。下の方には、辞書や絵本などが並べてあり、本棚として活用されているようだった。右の突き当たりには、茶色のドアがあり、たぶんトイレだろう。
部屋に入ると、畳が敷かれた部屋の真ん中に大きな茶色のちゃぶ台が置かれ、薄い座布団が三枚敷かれていた。部屋の隅には、昔のテレビがあり、小さい画面の割には本体は大きく、存在感があった。テレビの横は出窓になっていて、そこは開けっ放しになっていて、その反対側では、扇風機が置いてある、シンプルな部屋だった。昔の家も、今とあまり変わらない風景だなと思った。      少年は、その部屋にはいなくて、もう一つ奥の部屋で、小さな台に正座をして、宿題らしき物をやっていた。正座をする足の裏は黒く汚れ、まだ汗が止まらない様子で、時折、うちわで仰ぎながらえんぴつをノートの上に走らせていた。   ノートを覗き込むと、それは日記だった。夏休みの間も毎日日記をつけるという学校での決まりなのだろう、そして、やはりキャチボールの相手も菅野さんで、下の名前は豊君だと言うことは今知った。
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