青空の神様
何だか不思議たな気分だった。          あたしはこの少年に、この先何年か後、悩まされ苦しみ、ただ耐えるだけの日々を与えられる事になるのだと、それは紛れもなく、避ける事はできないし、今も何もできない。あたしって無力だなと、この時代からの未来のあたしを想い、胸が苦しくなった、そして、この無邪気で純粋な少年が、そんな大人になってしまうのが悲しくて泣いた。 涙が止まらなくて、手で拭っていた。中に浮いたまま、体育座りをして膝を抱いて泣いた。
気付くと少年は、もうそこにはいなくて、若い祖母とお風呂に行く準備をしていた。紫色の風呂敷にタオルと着替えをくるみ、手提げかばんには石けんなどを入れていた。       あたしは、少年と若い祖母を見送り、家に残る事にした。
誰もいなくなった、見知らぬ家は静かで、薄暗く、あたしは寂しくなった。お母さんに会いたい、誰かに抱き締めてもらいたい。あたしは一人ぼっちだった。
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