青空の神様
あたしは家の中を見てまわることにして、台所や玄関などを見てまわった。二階もあるので、階段を上がり部屋に入った。階段なんか使わなくても天井を抜けられるのだろうけど、普段少年が通る道順で行きたいと、自然とそう思っていたのだ。
二階には、広い部屋が一つあり、大きく立派なタンスがあって、中には洋服が入っていた。押し入れもあって、そこには布団が入っていて、ただそれだけだった。二階の階段を上がった所の短い廊下には出窓があり、子供のあたしの腰くらいの高さで座れるようになっていて、そこからはキャッチボールをしていた、ちょっとした広場を見下ろしていた。空の夕日はほとんど沈んでいて、夜になりかけている。
あたしはまた階段から下に行くと、もう二人は帰ってきていて、夕食をちゃぶ台に並べていた。時計を見ると、もう7時になるところだった。何だか時間がたつのが早く感じた。風や温度を感じないせいか、つい物思いにふけてしまい、いつのまにか時が過ぎているようだ。少年はおいしそうにご飯を頬張り、煮物や煮魚をおかずに食べていた。どれも、若い祖母の手料理で、おいしそうだったが、あたしにはその香りすら感じ取れなかった。
でも、オバケのあたしはお腹もすかないので、見てるだけで十分だった。
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