青空の神様
あたしは、いつも父を嫌い、目も合わさずにいた。あたしは父の気持ちに答えた事はあったのだろうか。思い当たる節はなかったし、今は考えられない、悲しくて、申し訳なくて、もう何もかもやり直したくて…。
そして父にありがとうって言いたかった。ありがとう大好きだよって抱きつきたかった。
あんなに恐い父だったのに、悲しい父になり、今は、いちばん愛してあげたい父になっていた。
少年の父は、若い祖母を大切に思っている様子だった。よく手伝いをし、仲良く洗濯物を畳んだり。肩もみをしたり。宿題の日記を読んで聞かせたりしていた。二人は仲良く、仏壇に手を合わせると、布団を敷き、並んで眠りに入った。時計は9時半になる所だった。 あたしは眠くなかったし、二人の寝顔を見ていると、気持ちが落ち着いていて、穏やかな時が流れていた。
あたしはしばらく二人を眺め、そして外に出た。
外は暗く、電気がついている家は少なかった。静かな夏の夜、空には星が驚くほどあって、吸い込まれそうなほどキレイだった。あたしは空を飛べるのだから、もっと上まで行けばいいのだけど、本当に吸い込まれたら、もう本当に一人になってしまいそうで恐くてできなかった。
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