青空の神様
車を降りると、フェンスの向こう側はプール遊びに夢中で楽しげな子供達が見える、みんな笑顔ではしゃいでいる。あたしは、そんな笑顔や笑い声に心が締め付けられる、傷ついてしまう。           あの人は車の鍵をチェックし、受け付けのある入り口に向かう、そのあとをあたしはついていく、あの人は大股で歩くから、あたしはいつも少し小走りになる。あたしの歩幅は、どのくらいだったか、自分でも分からなくなる。あの人は、きっと知らないだろう、あたしの歩幅の小さい事を。 入り口着くと、少々の小銭を払い、中に入る。ここは町の運営だから、格安な料金だった。だから、ほぼ毎日、あたしは連れてこられる事になる。      更衣室で着替えを済ませ、外に出ると、あの人はすでにシャワーを浴びていた、あたしも急いで、乾いた体に冷たいシャワーを浴びた。一瞬息が止まるほど冷たいシャワーは、すぐに慣れて気持ち良く汗を流せる。あの人は、無言のまま歩きだし、プールに向かい歩きだした。フェンス側は幼児用プールで、深さは大人のひざ下くらいに見える。水色のプールの底には色とりどりの魚やタコの絵が描かれていて、滑り台もついていた。小さな子供達は、楽しそうに保護者に抱かれたりしながら、水遊びをしている。その向かいには中プールがあり、そこでは小学生から高校生くらいまでの人が泳ぎの練習をしたり、楽しそうにビーチボールを投げあったりしている。大人も、子供をみながら、楽しめる、ちょうどいい深さだった。みんなキャーキャー言いながら楽しそうに笑っている。
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