日々

「はい栖鳳(せいほう)高校です」


雅紀
「えー…と、一年四組の宮谷ですけど…、」


「はい、どうしました?」


雅紀
「あのぅ、実は、学校に行く為に
駅にいるんですけど、」


「はい。……?」


雅紀
「定期を父親の車に忘れまして…」


「………」


雅紀
「どうしたら良いと思いますか?」


「……お金で切符を買ったら―――」


雅紀
「お金100円もないんです。」


「……お父さんに連絡してみたら
どうでしょう。」


雅紀
「父親の携帯は
今、壊れてるんです」


「…………。
担当と代わりますね?」


(た、担当って?え?いるの!?)


「はい、栖鳳高校です。」


雅紀
「えっと、一年四組の宮谷ですけど、」


「はい」


雅紀
「定期を父の車に忘れて
学校に行けないんです」


「連絡するとか、
切符を買うとかさ、できない?」


雅紀
「(さっきも同じことを…、)
お金ないんで、できないです」


「ご両親に電話を掛けてみなさい」


雅紀
「それができないから、
連絡したんだよーーーっ!!!!」


………………
………………………


雅紀
「ムリなんです、父親の携帯壊れてて…」


あぁ、心の声って自分も聞くことって
できたんだな…。

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