日々
放課後それは唐突もなく始まった。
雅紀
「“雅紀”ってかけるんだぜ!!」
そう嬉々といいながら
手をバタバタと大きく動かして
雅紀
「まーーさっ、きーーいっ!!」
自分の名前を呼びながら、
それに合わせるように
両手を水平にしたり、片方だけ上げたり。
里桜 美樹
「「………え!?どうした!?」」
雅紀
「まーーさっ、きーーいっ!!」
真剣に両手を動かす雅紀。
だが、その光景は…なんとも―――
美樹
「(爆笑)」
不可思議。
里桜
「美樹、あたし達は何も見てないから…!
何も見えない!!」
美樹
「そ、そうッ、だな!!」
雅紀
「まーーさっ、きーーいっ!!」
2人がこそこそと後ろを向き、
腕を組んで話している姿に
疑問を浮かべながらも
動きを止めない雅紀。
本人は至って真面目だ。
美樹
「クッ!!アハハハハハッ!」
里桜
「何も言っちゃダメ!!
ツッコンだら負けだよ、美樹ッ…!!」