日々

弟その2


『慶兎(けいと)』の場合...


雅紀
「ケイは毎日裏から学校に行ってんの?」


慶兎
「は?なんで?」


雅紀
「最近俺もお前と同じ時間なのに、
ケイを道で見かけねぇからさ」


慶兎
「あぁ、うん。だってその方が早くない?」


雅紀
「そうでもないだろ。…てか、お前時間…」


慶兎
「え…?あ、ヤバ!!行ってきまーす!」



――――――
――――…


その後、俺も時間が来たから家を出る。
自転車を漕いでいると、
前方に見覚えのある姿が見えた。


慶兎
「あ!雅紀兄!乗せてっ!!」


雅紀
「ヤダ!俺も遅刻ギリギリだから。
無理。問題外。じゃーなー」



実はのんびりし過ぎてギリギリな俺。
構うものかと慶兎を追い越した。






―――――――のだが、






後ろを振り向くとポツポツ歩く慶兎の姿。
小学生の癖に中学の野球部の朝練に
参加していなければ、余裕の時間帯。



しかし慶兎はポツポツ歩く。



雅紀
「あ゛ーーー、くそっ!!」


なんだか俺が悪い気がして、
俺は叫ぶように声を上げた。


雅紀
「慶兎ーー!!!!さっさと来い!
今すぐ!走れ!」


慶兎
「え……?」





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