日々
卒業式はハプニングの連続だった。
壇上に用意されたマイクが、
音を拾わなかったのだ。
声を張ればマイクが音を拾うが、
声の小さなPTA会長等の挨拶は、
保護者席まで届かなかっただろう。
美桜
「司会と壇上のマイク、逆だ…!」
慎也
「司会のマイクは、
小さな音も拾ってるからね」
雅紀
「里桜、机使ってる?」
里桜
「ううん」
雅紀
「じゃあ席を、譲ってくれねぇ?
反省点を書き出してるんだけど、
膝上じゃ書きにくくてさ」
里桜
「いいよ〜」
キーー…ン
美樹
「美桜、ハウッてる!」
*ハウるとは、共鳴をするかのように
嫌な高音がでること*
美桜
「司会の先生が急に大声で叫ぶから…!!」
ワタワタと音の調整をする美桜に、
ルーズリーフに書く雅紀。
他のメンバーは…、
美樹
「見てみて、河童!!」
里桜
「はは…」(苦笑)
慎也
「ZZZ…」
み、みんな一生懸命動いたから、
時間はあっという間に…!
雅紀
「この卒業式、駄目だ。感動できねぇ」
美桜
「酷いことを…、」
あ、あっという間…!!
美桜
「だから司会!いきなり声張り上げないで!!」
す、過ぎていきました。
は、はい。
ホントに…。