日々

「卒業生の退場です!!拍手で―――」


卒業生の退場。


1組が立ち上がる。


担任の後についていく。


2組、3組……と続く列に、
残り卒業生を送るだけとなった
雅紀達は拍手をしながら見送る。


「今までっ、ありがとうございましたっ!!」


「「ありがとうございましたっ!!!!」」


声を張り上げながら、担任に一礼をする。


涙で掠れたその声に、
雅紀達は音にならない声を上げた。


「――ッ、礼っ!!」


「「ありがとうっ、ございましたっ!!!!」」



7組は保護者席の前を通過する途中、
男子生徒が皆を止め、
全員が保護者に向き合い一礼。


それは、最後の8組も同じだった。


台本通りじゃない、それらの行動を、
予想していなかった保護者達は泣き崩れる。


見守っていた教師も然り。



拍手をしていた雅紀達も、
涙腺が滲んでいた。



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