日々

―――――――
―――――…


雅紀
「あーっもう!!俺、発狂していい!?」



学校の大階段を上りながら、
うがぁーと雅紀がついに、
もう耐えられないと声を上げた。



里桜
「虎にならないなら、いいよ」


慎也
「…それ、元ネタ何?」


里桜
「『山月記』」


慎也
「あー…、俺達の国語の教科書に
載ってるアレ?」


里桜
「うん。主人公の李徴が虎になって、
発狂する物語だよ」



※『山月記』 中島敦著より



慎也
「もっと分かりやすいネタじゃないと、
読者には伝わらないと思う」


里桜
「クッ、今日の慎也は読者に優しいのか」


慎也
「何で里桜が悔しがるの」


里桜
「あら雅紀、そんなに目を輝かして
どうしたんだい♪」


慎也
「スルーかよー」


雅紀
「あのさ!俺も発狂したら、
李徴みたいに虎になると思う?
ガオーー!って」



(°Д°)←里桜


Σ( ̄◇ ̄*)←慎也



里桜
「…いや〜、雅紀は虎じゃない。
それはない。絶対ない」


雅紀
「えー、なんで」


慎也
「せめて犬。」


雅紀
「何故に犬。」


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