日々
さて、今から話すのは、
怖がりな弟達のことだ。
情けないくらいの恐がり。
お前ら絶対、おばけ屋敷に
入っても逃げる類いの人種だな。
―――――――
―――――…
雅紀
「……あ、そう言えば風呂の電球が
きれてて点かないんだった」
睦月
「えっ!?」
慶兎
「…………!?」
風呂の電球がきれてることに気づいたのは、
確か時計が7時をまわっていた頃だった。
父さんに電話して、新しい電球も頼んだし、
別に明日からは困らない。
ただ、父さんが帰ってくるのは8時頃…。
それから全員が入ると、
10時はとうに越えるだろう。
だから電球がきれて、真っ暗な風呂に、
最低1人は入っておきたい。
雅紀
「…誰か風呂行く?」
慶兎
「入るわけないじゃん。バカなの?」
睦月
「絶対ヤだ。暗いもん」
燐
「オバケ出たら雅紀が責任取る?」
雅紀
「……お前ら情けねぇな……」
あまりに逃げ腰な3人である。
そして即答。
燐
「そんなに言うなら、雅紀が入れよ」
雅紀
「別に良いけど。本当に情けねぇな」