日々
雅紀
「かえせ!!此方に投げろ!
今すぐ!!お分かり!?」
慎也
「えー?分かんなーい♪」
改札横の見送りスペースの
限界まで体を出して手も伸ばす。
そんな雅紀を嘲笑うかの如く、
雅紀の手が届かないギリギリのラインに立ち
ぶらーんと定期を左右に揺らす。
慎也は完全に遊んでいるようで、
雅紀
「返せってば!」
シュッ!!
慎也
「えー♪どうしよっかなぁ♪」
ヒョイ!!
雅紀
「かーえーせー!」
手を伸ばして掴もうとしても、
その手は空を切る。
…その姿はどこからどう見ても、
飼い主と猫パンチを決める猫だ。