日々
雅紀
「杞菜美って今、青春中だよな」
珍しく今は私と雅紀くん、
2人だけの放課後。
雅紀君は窓を見上げポツリと呟いた。
杞菜美
「そんなことないよ」
私は笑いながら返事をかえす。
雅紀
「だってさ〜、部活掛け持ちしてさ、
部活に一生懸命で、成績も悪くなく、
剣道部の同級生に片想いときた」
あ、この前知られたんだった////
杞菜美
「声、大きいっ;」
雅紀
「これこそ青春?いいな〜」
杞菜美
「雅紀君だって青春してるよ」
雅紀
「どこが〜??」
杞菜美
「どこがって……、全部?」
雅紀
「え〜……」
杞菜美
「“え〜…”って」
雅紀
「…まぁ、いっか」
杞菜美
「何が??」
雅紀
「このまま、のんびりするのもさ」
今しか出来ないんだぜ?
そう君は笑う。
杞菜美
「確かに、そうかも知れないね…」
時間は過ぎてゆく。
大切にしたいから、なんて
一生懸命になるのもいいけれど
たまには、こうやって、
澄んでいる青い青い青空を見上げてみるのも
一興なのかもしれない。
雅紀
「晴れてんな〜、」
いつか私達が
長い長いこの学生生活に
終止符をうつなんて
今は考えられそうもないけど、
杞菜美
「……うん。」
数年後のその時が繰るまで
“今”を、感じていたいな。
*END*