日々

「お前は俺に迷惑をかけた。
嫌になるくらいな。だがな、
子どもはかけて当たり前なんだよ」


「お前は俺に迷惑をかけたぶん、
子どもに返してやれ」


「父ちゃんは悲しいかな、
感謝されんのは母親だけだ。」


「でも感謝されるためにいるんじゃねー。
こどもが立派になるまで育てるのが務めなんだよ」


「…父さんになるんだ。
子どもが産まれたら一人前だからな
弱音は許さねーぞ」



その言葉を最後に、
話し合いは終わりを告げた。


子どもが産まれるのに
不当な会社は許さないと、
父さんのツテで燐はある工場に就職。


さらに通勤するためだとバイクを持たせ、
バイクの免許も取らせた。


まだ16歳で未成年の燐が、
正式に、給料もそれなりに貰い
働けているのは完璧に父のおかげだろう。





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